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いばらの王 / 岩原裕二

いばらの王

♪作者:岩原裕二

♪完結済・全6巻

♪キーワード:SF、サバイバル、アクション

 

*あらすじ*

世界に蔓延する石化病(メドゥーサ)に感染した人々は、古城を改築した施設の中で未来の医療に希望をかけて冷凍睡眠(コールドスリープ)についた。
だが彼らが目を覚ましたとき、城は獰猛なモンスターの徘徊する荒れ果てた廃墟と化していた・・・。
奇病と怪物、二つの死の足音が迫る主人公カスミ。
いばらに覆われた古城を舞台に、いま、生への脱出劇がはじまる・・・!

 

*レビュー(ネタバレあり)* 

 映画化もされている人気作品。
作者さんは"B級映画のような"作品を目指していたようですが、まさにそのような感じです。

コールドスリープ、古城からの脱出、モンスター等々…
とてもしっかりした世界観と設定で作り込まれていて面白い!


…ですが、後半は中々難解な話になっています。
「そうだったのか!」ではなく一読では「ん…?どういう意味?」的な印象になってしまう。
一読ではなく読み込むのが必須かも。


絵に関して言えば、モンスターだったりお城だったり、書き込みがとても多く丁寧です。
アクションシーンも多く、サバイバルネタなので、ドキドキハラハラしたい方にはオススメ!

 

 

メドゥーサの正体が"精神に感染するもの"と分かったときは「なるほどー!その線でくるか!面白いな」と思いました。

結局は催眠?的な装置でそれを操っていたようですが、結局は肉体をエネルギーにして体自体が変異するという…

中々難しい設定で、どうにもリアリティーなさすぎなのもあって、途中何度かついていけなくなりました。

 

随所随所で死んでいく仲間や変異していく人たちが良いアクセントになっています。
こんなこと言うとアレですが、全員生き残るのではサバイバルものとしては逆に面白くないのです。


後半はネタ明かしもありますが、なんだか最早バトルもの張りにアクションシーンが多いです。

絵の書き込みが多いので、とても派手なアクションになっていますが、其れが災いしてか、何をやってるのかよくわからんシーンも…。

そして、突然芽生える恋愛への違和感…(笑)

 

少年・青年漫画的にはこんなもんか、と思うにしてもちょっと突然すぎて…

カスミちゃんが力強く守ってくれるマルコさんを好きになるのはまぁわかるとして、

マルコさんはどこでどうしてそんな感情芽生えた?という感じで、

少女漫画ほどとはいかずとも、もうちょっと心情の動きを描いても良かったんじゃないかなとは思います。

折角"精神に感染する"という病気の設定があるのだから余計に…。

 

ただ、前半のドキドキ感からの後半の怒涛のネタ明かし…

この膨大な設定をダラダラと続けずに全6巻で纏めたのは凄い。

そこまで長くないので最後まで飽きずに読めるという点でも良作です。