ヴァンパイア・KISS / 松本夏実
「ヴァンパイア・KISS」
♪作者: 松本夏実
♪完結済・全1巻
♪キーワード:恋愛、青春、吸血鬼
*あらすじ*
吸血鬼――。
人間の生き血を求め、夜を彷徨う不老不死のモンスター。
一見、普通の女子高生の主人公【小泉宝(こいずみ たから)】。実は宝は吸血鬼の子孫…
とはいっても、十字架もニンニクも平気。唯一太陽の光には少し弱くて、血が必要。
お化粧をすればすぐにクラスの男子は宝にメロメロ。ただ、【青山健人(あおやま けんと)】。彼だけは宝のお化粧が効かなくて…
*レビュー(ネタバレあり)*
聖・ドラゴンガールで有名な松本夏実先生による作品。
表題作「ヴァンパイア・KISS」とその続編「ヴァンパイア・ナイト」、番外編「リトル・ヴァンパイア」、読み切り作品の「シークレット・ローズ」
が収録されています。
りぼんっ子だった私にとっては松本先生は小さい頃から大好きだった作家さん!
ヴァンパイアの女の子とスポーツ少年の青春恋愛もの。
青山くんに好かれたくて一生懸命な宝ちゃんが可愛い。
絵はさすがの綺麗さで、青山くんは若干ヘタレ気味ですが終始イケメンです。(笑)
基本的に胸キュンな明るい少女漫画ではありますが、
宝がヴァンパイアとしての自分の存在に悩むシーンもあり…
右京に不老不死にされてしまったと思って青山から離れなきゃ…と行動したり…
そこはやはりただの能天気な主人公ではないのだと感じるところ。
個人的な名シーンとしては、ヴァンパイアナイトの最後で
「もし…宝が不死になったら…オレも吸血鬼になるよ」
とのたまう青山くん。
こんなことサラッと言えちゃう男子高校生って…(汗)
若干ヘタレ・ツンデレ気味の彼ですが、宝の全てを受け入れる、という決断ができるあたり本当にイケメンです。
そしてそのシーンでのモノローグ
「永遠なんていらない この一瞬が輝いているから」
なんとも綺麗で素敵。
「リトル・ヴァンパイア」は二人が実は小さい頃に会っていたというお話。
「ヴァンパイア・kiss」で、宝の正体に最初から気付いてたという青山でしたが、正直ずっと見てたから…と言っても普通気づかなくない?と思ってましたが、成る程、小さい頃に羽生えてるのとか見てたからだったのね…。
そして、全然あの頃の"けんちゃん"だと気がついてない宝に
「高校で再会した時オレはすぐわかったんだけど… 意地悪してもう少し黙っておこう」
っていう青山が可愛いです。
細かい点ですが、青山の一人称が「俺」ではなく「オレ」なのが高校生っぽくて個人的には好き。笑